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2005年7月11日 (月)

no.19 NPO団体における「サービス品質」意識

 どうもNPOでは、サービスの「品質を高める」意識が、民間企業とくらべるとかなり弱いように思われる。

その例として、たとえば次のようなケースがあった。

 ●「子育て支援のための母と乳幼児のスペース」といいながら、そのスペースは週の平日1回、ほんの短い時間あいているだけ。 しかもどうみても交通の便も悪い。またそのスペースには部屋と「お世話やきおばさん」がいるだけ。利用者からみてもっと来たくなるような魅力をつけてほしいがいまのところ感じられない。「たくさんの人がささえる子育て」という割には看板倒れと思った。   

 ●「行き場のないお年寄りの集う場」といいながら、土日しかやらないディ

これはよく聞くと、主なスタッフはみな平日は他のところへ勤務していて、土日しかできないからとのこと。介護保険の指定もとれないわけで、長続きするのだろうか。
    
 ●自然体験といいながら、その辺でありあわせの自然ですませている「体験教室」

 サービス提供の初期段階で一次的に上記のような状態、というならわかるが、1年たっても変わらないとなると、「サービスの品質意識」があるのか疑ってしまう。どんな理由があるにせよ、「サービス提供者」として一定の対価を取る以上は、品質向上の努力は常に意識し、改善しつづけねばならない。

 このような「品質意識の弱さ」は特殊なことではないように思う。そこにはNPO特有の価値観、奇妙な自己納得の論理のようなものがある気がする。

 ①できることを「できる範囲」でやってればいいという意識がそもそもある。
  ボランティアグループはややもするとこういう論理で、「品質」観念が乏しい。また事業型といわれる団体においてもこういう傾向を持つところもある。

 ②「顧客」意識の乏しさ

  NPOの中にはサービス提供の対象者「顧客」として見ていないように思う場合がある。自分たちの「仲間」として見ていて、少々のことは「わかってくれる」だろうと思うのでないか。

 ③競合認識、競合先理解のなさ
  だから競合先があっても「競合している」ととらえない。
  競合先も含めた中で、自らが「選択される」存在であることを考えない。
  だから競合先についての情報を持たないことが多い。

 ③いいことやっているという意識、自信過剰
  (第三者からみて不十分であるのに)へんに自信誇示、過剰な代表者、スタッフもいる。

  自分たちができる範囲で、今思いつく範囲でやるのはそれなりにわかるのだが、もう少し自己の不十分、サービスの未完に対し謙虚さ、自覚をもってほしいと感じることがある。
  
 今日、民間企業はサービスや商品の品質向上に必死になってきた。トヨタ自動車など、最たるものだ。低コスト化と品質向上という背反を日々、現場で追及している。NPO、コミュニティビジネスでも同じ、もしくはそれ以上に「品質を管理する」という発想、管理力を持たなければならない。

 さもなければ、高品質なサービスや商品に慣れた一般消費者には「不十分さ」はやがて見抜かれる。昔、企業のモラルも低かった時代、傲慢なメーカーが消費者無視で、売らんかな精神で荒っぽいことをやったときがあった。そういう企業、団体は今日、すぐに支持されなくなる。NPOだから利用されるのでなく、信頼できるサービスを提供しているから支持されているのだ。

 なおサービス品質の管理としては、具体的には次のことがあげられる。

  ①まだ未完成、開発途上ということを素直に認め、謙虚に改善にとりくむ
  ②毎年、品質のいっせい点検、顧客調査・競合先との比較をやってほしい
  ③「品質をあげる」カギはどこかを理解する
  ④もう少し高くてもいいから良質なサービスを企画提供してほしい
    (安いからこれでいいでなく)
  ⑤そうして毎年、質を上げていく(品質目標を持ちたい)

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